出会いは求人イベントだった。ぼくがリクルートの人事として新卒の学生向け採用イベントに参加していた時、そのおっさんと出会った。



そのイベントでぼくは多くの学生に会社のことを話していた。そんな中たまたま話した学生がめちゃくちゃ優秀でゲームが大好き。

でも地方の学校で情報が少ないから、よくわからないけど東京の会社に行きたい。

普通、企業の人事ならどうにかがんばって自社に応募してもらうんだけど、当時勤務していたリクルートも、その前に働いていたカヤックも「応募者のことを本気で考える」ことを大切にしていた。

考えた結果が短期的には会社にとって不利益になりそうでも、応募者に真摯に向き合うことが長期的には大切だと思っていた会社だった。(と勝手に解釈してた。違うかも)

その学生と話していたら、とにかくゲームが好きですぐにでもゲームを作りに携わりたい。特に位置情報を使ったゲームを作りたいらしい。

純粋な学生だったから、変な大人の変な会社に騙されてほしくないなぁと思い「ちょっと待ってて」と言ってぼくはその場を抜けだした。


当時位置情報ゲームで面白いことをしていて、ぼくが面白いし信頼できそうと勝手に思っている会社が参加していることを知っていたので、その会社のところまで行ってこう言った。


「優秀で位置情報のゲーム好きな学生がいるんで紹介してもいいですか?」


新卒の採用イベントだからもちろん人事からすれば競合だったんだけど、学生が面白いゲームをつくることできるようになれば面白いなーぐらいの感じで、その時は学生と企業をつないだ。

そしたら、イベント終了後に知らないおっさんが話しかけてきた。

「競合に紹介するなんて、君面白いね!」
「ぼくも昔リクルートだったんだよ!」
「カヤックだったの?今鎌倉に住んでるよ!」

笑顔が美し過ぎて怪しいおっさんだったけど、話してみるととても良い人だった。

そこからごはんへ行ったり、取材させてもらったり。遠くでそのおっさんの活躍を見ていた。

そのおっさんは、いつでも会社のことを真剣に考えて、日本のIT業界のこと、ドローンのことを少年のようなキラキラした目で話していた。そのおっさんはとにかくいろんな若手を様々な形で支援しながら、自分も積極的に新しいことに挑戦していた。

この人に支援してもらって事業展開できている会社をいくつも知っている。この生き方に憧れる、正直かっこいい。


そんなキラキラおっさんが今日、会社を卒業したらしい。


あんなに会社好きだったのに、会社やめたら死ぬんじゃないかな。大丈夫かな。でもこれからも多くの会社を支援しながら面白いことに挑戦するんじゃなかろうか。

美し過ぎて怪しい笑顔を見せながら。


コロプラの千葉さん、卒業本当におめでとうございます。今後のご活躍楽しみにしています。






-PS-
ぼくが会社をつくる時は、出資してください。